〝建物の価値〟を高めて空室リスク対策を。安定的なアパート経営の極意
2019.08.29

円滑な賃貸経営(アパート経営)において大切な要素の一つが、空室リスクへの対策です。一般的な空室率が低いアパートの条件には、駅から徒歩圏内であることや学校・会社に近いこと、生活に便利なスーパーやショッピングモールが近いことなど、立地が大きく関係します。反対に、駅から遠い、交通網が発達していない、商業施設が少ないなど、利便性が悪いエリアにあるアパートは空室率が高い傾向にあります。

では、利便性が悪いエリアにあるアパートの空室率を下げるにはどうしたら良いのか。その答えは、「建物の価値を高めること」です。今回は、設備投資から魅力的な内装・外装のポイントにいたるまで、建物の価値を高める方法を具体的にご紹介します。

設備投資で建物の価値を高める

建物の価値を高める方法の一つが設備投資です。ここでは、導入によるメリットが大きい設備をいくつかご紹介しましょう。

LED照明

既に導入されている方も多いかもしれませんが、最もシンプルで効果的なのが、LED照明の取り付けです。LED照明は一般的な蛍光灯や白熱電球よりも明るさが強く物件が綺麗に見えるほか、共用スペースや廊下に設置することで、暗くなりがちな空間に光源を確保できるため、安全・安心な環境をつくることができます。耐久性があり、電気代が安いというメリットもあります。

またLED電球は、蛍光灯や白熱電球とは違い紫外線をほどんど発しないことから、光(紫外線)に寄りつく蛾や羽虫といった害虫を誘引しづらく、虫よけ効果も期待ができます。

セキュリティ設備

オートロックや監視カメラなどのセキュリティ設備の導入も、建物の価値を高める要素です。セキュリティ面で安心できる賃貸住宅の需要が年々高まっており、オートロックは訪問販売や無関係者を建物内に入れないというメリットもあるため、人気が高い設備です。鍵の種類も一般的なシリンダー錠以外に物理的な鍵を必要としない暗証番号型、財布やスマホケースに収納できるカードキーや最近では指紋認証まで登場しています。導入する際は、そのエリアの治安や入居者の属性に合わせて最適なものを選ぶことをおすすめします。


監視カメラは死角をつくらないよう角度と位置を調整しながら設置する

セキュリティ設備は、物件に住む人の層に合わせて臨機応変に設置するのがよいでしょう。若者や女性の入居者が多い、あるいはそういった層の受け入れを目指している物件であれば、セキュリティ設備はアドバンテージになると思われます。

無料インターネット

近年のデジタル社会の波に乗じて、無料のインターネット環境(Wi-Fi)を整備することも大きなメリットになります。最近では働き方改革の影響を受け、リモートワークやテレワークといった在宅勤務の若者が増えてきていることも事実。テレビや冷蔵庫といった家電を必要とせず、最低限のものしか持たない暮らしをするミニマリストでも、仕事や情報収集の上でインターネット環境は必要不可欠です。今や賃貸アパート探しの基準はインターネット環境があるかないかとまでいわれています。

その他、入居者のニーズが高い設備

築年数が経過している物件なら入居者のニーズが高い設備を導入するのも有効。日中家に居なくても荷物が受け取れる宅配ボックスや、雨の日でも安心の浴室乾燥機能付のバスルーム。駅から距離があるなら駐輪場に屋根を設置するなどの配慮も大切です。

こういった設備投資は初期費用こそ高いものの、環境整備を行なうことで入居者が増え、先のキャッシュフローを考える上では、十分に回収できる額に収まるはずです。まずは現状を把握し、必要なものから徐々に取り入れていくとよいでしょう。

印象を決める建物の外観

設備投資と同時に見直したいのが建物の外観です。築年数が経つにつれ、壁のコンクリートにひび割れが発生したり、雨や砂、泥などによって汚れてしまっていたり、あるいは雑草が伸び、建物にツタが絡んでいたりとさまざまな問題が発生します。日頃から綿密にメンテナンスをしている物件でも、経年劣化は避けられません。このような建物は、意図せず古びた印象を持たれてしまい、入居者から敬遠される対象になってしまいます。これでは新規入居者はおろか、既存の入居者までもが退去・転居を考える可能性まで出てきてしまいます。

そんなリスクを避けるためには、外壁の塗り直しや汚れの付きにくいサイディングに張り替えるなどの対策が効果的です。築年数に応じては建て替えるということも一つの手です。トレンドや周辺地域に合わせたモダンな(場合によってはレトロ風な)建物は、街ゆく人の目を引く存在になりうることでしょう。


ヴィンテージ風の外観が美しい赤煉瓦調のアパート。存在感がありながらも街と調和し、落ち着いた印象を与える

また、建て替えを検討する際は、“古びた”という印象を“ヴィンテージ”と置き換えた、色あせない赤煉瓦調の物件も魅力的。一般的なアパートとは一線を画す高級感あふれるたたずまいは、街を温かく見守るシンボルになるかもしれません。

空室対策を行なう適切なタイミングとは?

ここまで、空室対策のための具体的な方法をご紹介してきました。では、これらの空室対策はどのタイミングで行なうべきなのでしょうか。

空室対策をとるべきタイミングは、大きく分けて3つあります。

➀建物の劣化・損傷

1つ目は、建物が明らかに劣化、もしくは損傷しているときです。古ぼけた外観のアパートでは不安要素を前面に押し出しているような印象を持たれてしまいます。もちろん損傷していないかチェックすることも大切です。安全で快適に暮らせる環境を維持することは、入居者にとっても、入居を検討している人にとっても「管理が行き届いている」という信頼感につながるので、日々のメンテナンスを怠らず、適切なタイミングを見計らいましょう。


ひび割れが目立ち始めると古びた印象に。劣化の合図でもあるため、日頃のメンテナンスの中で注視し、修繕のタイミングを見極める

➁物件の購入時

2つ目は、物件の購入時です。購入した物件の築年数に関わらず、最初にすべてリフォームまたはリノベーションしてしまうという方法です。あらかじめ綺麗な状態かつ充実した設備環境を整えておくことで、後の数年間のメンテナンスの手間が軽減され、入居者が住みやすい環境を維持できます。また、事業計画書にリフォーム経費を盛り込むことで、融資額が大きくなる場合があるなどのメリットもあります。

③稼働率が9割を切ったとき

3つ目のポイントは、「稼働率9割」です。一般的に経営している賃貸物件の稼働率が9割以上をキープできているのであれば、急いで対策を打つ必要はありません。稼働率が9割を切ったときが、設備投資や修繕をすべきタイミングになります。

雨漏りや騒音などの明確な問題が起こっていないのにも関わらず、稼働率が思わしくない場合は「設備が足りない」「汚い」「見栄えが悪い」など、内見者が尻込みしてしまう原因が必ずあります。要因を見極め「設備の投入」「内装のリフォーム」「外壁塗装」といった対策を実施しましょう。また、経済的な面では、敷金や礼金をなくし、初期費用を安くするということも有効です。もし、そういった管理面に不安がある場合は、アパート経営のプロに相談・委託してみるのも一つの手です。

セレ コーポレーションのこだわりの物件「My Style vintage」は、赤煉瓦調の外観が街並みに調和しながらも思わず振り向いてしまうような個性を放ち、どこか落ち着きをもたらします。また、それぞれの部屋は充実した収納設備やお洒落な壁紙、インターネット環境が整備され、入居者のニーズに合わせた工夫が凝らされています。さらに、オートロックや監視カメラなどのセキュリティ設備も完備されているため、最初から安心して暮らせる環境が構築されているのです。

「この物件だからこそ暮らしたい!」と思えるセレの物件には、空室・値崩れ対策のヒントがたくさん詰まっているのです。

監修=紺野健太郎

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