次世代に受け継ぐ資産とし
ての街「スマートコモンシ
ティちはら台」の取り組み
次世代に受け継ぐ資産として
の街「スマートコモンシティ
ちはら台」の取り組み

2019.04.11

東日本大震災以降、エネルギーのあり方が社会的に見直される昨今。震災の教訓から、万が一の事態が起きエネルギー供給がストップした際にも普段通りの生活が送れるよう、自立したエネルギーの供給が求められはじめています。そうした問題への解決策として提案されているのが、先端技術を活用し、「世代を超えて人々が幸せに暮らせる街づくり」を目指す次世代の街づくりスマートシティ構想です。

今回は、そのスマートシティ構想を元に設計された、「スマートコモンシティちはら台」に注目。街のコンセプトや構想の特徴など、スマートコモンシティちはら台で行なわれている新たな生活への取り組みをご紹介します。


「スマートコモンシティちはら台」の先進技術

スマートコモンシティちはら台は、2013年(平成25年)に千葉県市原市ちはら台に誕生したスマートシティです。街全体で「創エネ」「省エネ」を図ることで災害時も安心、かつ快適で経済的、環境にも優しい「グリーンファースト」という考え方が街づくりのベースになっています。

グリーンファーストを実現させる先進技術が「グリーンファーストハイブリッド」。高断熱の住宅・太陽電池・燃料電池・蓄電池を連携させたシステムのことで、高断熱の住宅によって冷暖房効率をアップさせて省エネに貢献します。さらに太陽電池と燃料電池の両方で発電を行ない、安価な深夜電力を蓄電池に蓄えることで、創エネと省エネも実現します。多方面から電気料金やエネルギー節約に貢献し、災害時には、日中に太陽電池から得た電力を充電することで夜間の電気使用も可能になるシステムです。停電中の暗い夜にも、照明を点けて安心した生活を送ることができるといいます。

屋外に設置された燃料電池。発電時の熱を使うことでお湯をつくることができるため、電気代だけでなく水道代の節約にもなる

さらに蓄電池だけでなく、電気自動車も電池として機能します。車載バッテリーは供給出力も大きく、停電していても燃料電池を起動したり、IH調理器具の使用も可能。停電中でも温かな食事をすることができます。電気自動車フル充電1回分で、オール電化家庭が使用するほぼ1日分の電力を賄うことができます。

人のつながりを生み出す「4つのまちづくりの方針」

スマートコモンシティちはら台のコンセプトは、「SLOW & SMART ゆっくり生きてゆく、住まいの先進技術」。万が一の事態が起きた際にも普段と同じ生活を送れるよう、住民の快適な生活を支えるためのさまざまな工夫が施された住環境を整備しています。

また、街全体の景色が子どもたちの原風景となるよう、「4つのまちづくりの方針」を策定。グリーンファーストや電気自動車など、身の回りを便利にする先進技術を賢く取り入れながらも、暮らしは豊かでゆったりと味わい深いものにする。次世代に引き継がれる、心に残る街づくりを目指しています。

では、スマートコモンシティちはら台が策定した「4つのまちづくりの方針」とはどのような内容なのか、実際に見ていきましょう。

「スマートコモンシティちはら台」における「4つのまちづくりの方針」。暮らしやすい街をつくる工夫が盛り込まれている

1.地域とつながる緑豊かな街

この地・この街が持つ魅力を生かした街づくりを目指し、周辺地域の自然環境と調和した街並みをつくります。近隣には、桜のトンネルが美しい約4kmの歩行者専用道路「かずさの道」や、街に隣接し日時計のモニュメントが印象的な「御影台公園」など、自然と人が集まり、交流が生まれるような工夫が施されています。

そうした周辺環境の中で、街の各戸でも敷地内に在来の樹木を植える「5本の樹計画」の取り組みを推奨しています。5本の樹計画とは「3本は鳥のために。2本は蝶のために」というコンセプトのもと、住まいの庭に“小さな自然”をつくり、地域と自然との共生を図ろうとするもの。そうした緑あふれる街で季節の変化を感じながら成長することで、子どもたちはのびのびと健やかに育つことでしょう。

2.コミュニティが生まれる街

街中を通る車道の多くにサークル状の行き止まり「クルドサック」が採用されています。クルドサックとはフランス語で「袋小路」という意味で、住人などの特定の自動車しか入らない限定的な特性を持たせた道路。不必要な自動車の進入を防ぐことができます。また、そのカタチから広場としての機能も果たすため、交流の場としても最適です。このクルドサックと幅員5mの車道を、住民同士の自然な交流の場「コミュニティ道路」とすることで、各戸の世代を超えたつながりの誕生を目指しています。

また、コミュニティ道路の沿道1mを「セミパブリックスペース」として設定。シンボルツリーや玄関ポーチの門袖などのデザインを街区ごとに統一することで、近隣との親近感を生み出しながら、各戸それぞれのパーソナルスペースも確保しています。

これら住民同士がゆるやかにつながる空間をつくることで、「ひとえん」と名付けられた街のコミュニティの発展を支援する活動が積極的に行なわれています。

3.安全・安心に暮らせる街

前述の、災害や停電時にも電気を使用できるグリーンファーストハイブリッドはもちろん、他にも住民の安全に配慮された設計が数多く施されています。

街に張り巡らされた街路は、歩行者専用の遊歩道や前述のクルドサックを設置することで、歩行者が車両とすれ違う頻度を減少させます。さらに街へ入るためのゲートを合計3ヶ所に限定し、通り抜けなど不必要な車両の出入りを制限しています。加えて、街の中心を通る幹線道路は、緩やかなS字のカーブと人の目の錯覚を利用したイメージハンプを組み合わせることで車のスピードを抑制しています。

これら多くの工夫が街の中での衝突事故を減らし、住みやすく安全・安心な街をつくりあげているのです。

4.景観まちづくりの推進

街全体を緑豊かな美しい街並みにするべく取り決めた「まちなみガイドライン」。街区ごとに各戸のシンボルツリーや門袖のデザインを統一したり、5本の樹計画など道路沿いの緑化を推進したりと、自然環境と調和した街並みを目指しています。

さらに、建物の外壁や屋根の色彩など、ガイドラインの中でも特に重要と位置づけられた基準は、「景観法」に基づき市原市の定める「景観計画」に加えられています。

先進技術と人のつながりを大切にして

暮らしを豊かにする先進技術を環境に配慮した形で取り入れ、「4つのまちづくり方針」に沿って、住民同士の交流を大切にした街並みをつくる。スマートコモンシティちはら台に暮らす住民が一体となって取り組む未来の街づくりは、街全体を価値のある魅力的なものにしているのです。

“みんなでつくった財産が、やがて次世代に引き継ぐ宝物になる”。「魅力的な街」という財産を子どもたちに贈ることで、その子どもたちもまた新たな時代の魅力的な街を次の世代に残していってくれることでしょう。

【街づくりに関心のある方にはこちらの記事も人気です】
未来につながる街づくり。持続可能な「スマートシティ」構想とは?

100年に一度の再開発。生まれ変わる「渋谷」の今

「住まいづくり」視点で考える。コミュニティのための不動産投資とは?

 

RELATED/関連記事

人気記事/POPLAR POSTS

おすすめ記事/RECOMMENDED POSTS

TAGS