災害に強い街づくりを目指
す都心のエコで暮らしやす
い街「田町スマエネパーク

災害に強い街づくりを目指す
都心のエコで暮らしやすい街
「田町スマエネパーク」

2019.03.29

都市化の進む現代、膨大なエネルギー消費や環境問題など、近い将来に起こると予測されている多くの課題を抱えています。そんな課題の解決を目的として、IoT(Internet of Things)をはじめとする先端技術を活用し、「世代を超えて人々が幸せに暮らせる街づくり」を目指す次世代の街づくり「スマートシティ」。その取り組みの一つ、「田町スマエネパーク」は東京都港区と東京ガスを中心とした企業による官民連携の大規模開発プロジェクトです。

JR田町駅付近に「スマートエネルギーネットワーク」を導入し、新しい街を整備することで省エネ効果を実現しました。今回はそんな「田町スマエネパーク」の成り立ちや導入事例、目指すビジョンについて紹介していきます。

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エネルギーとシステムがつながる街「田町スマエネパーク」

田町スマエネパークは2014年(平成26年)11月、JR田町駅東口周辺に誕生したスマートシティです。「地球のため、街にできること」をコンセプトに、街全体でCO2の削減や節電に取り組み、「低炭素で災害に強いまちづくり」を目指しています。

該当エリアには、防災拠点としての役割も担う「みなとパーク芝浦」や子育て支援施設「港区立しばうら保育園・あっぴぃ芝浦」、産婦人科や小児科を専門とした「愛育病院」を設置。

防災拠点をはじめ複数の機能を担う「みなとパーク芝浦」(画像左)と、安全で快適な妊娠・出産・育児を支援する「愛育病院」(画像右)

地域全体のエネルギー需給をコントロールする「第一スマートエネルギーセンター」を中心に、スマートエネルギーネットワークを構築することで、街全体でエネルギーの最適な供給と使用を可能にしています。再生可能・未利用エネルギーを最大限活用することにより、将来的にCO2排出量を1990年比で45%削減する計画も進行中です。

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「スマートエネルギーネットワーク」と3つのキーワード

田町スマエネパークは、スマートエネルギーネットワークを利用して、働く人や訪れる人が安心・安全・快適に過ごせるよう、「つくる」「つながる」「みえる」という3つのキーワードを設けています。

スマートエネルギーネットワークとは、都市ガスを燃料に発電し、同時に発生する熱エネルギーを空調などに利用できる「ガス・コージェネレーションシステム(以下CGS)」を核とした、新しいエネルギーソリューションです。熱や電気をネットワーク化し、ICTを活用することでエネルギー需給を最適化。省エネ・節電・光熱費削減、さらには自然災害を含む緊急時に素早く復旧し、事業の継続、家庭での生命や住環境の維持を目指す行動計画など、さまざまな付加価値を提供します。

つくる

CGSを核に、再生可能・未利用エネルギーを最大限活用し、街全体でエネルギーを生産するシステムを確立しています。
再生可能エネルギーは、ガスエンジン、燃料電池のコージェネレーションシステムを採用。未利用エネルギーは年間を通して温度変化の少ない地下トンネル水を活用し、夏は冷却水として、冬は暖房の熱源として熱と蒸気を利用することで、年間で30~65%の省エネを計画しています。地下トンネル水の活用は地域熱供給で初めての採用例となりました。また、地域熱供給で初めて太陽熱集熱器を導入し、集めた熱は年間を通じて空調に利用するほか、太陽光発電や風力発電も利用した設備が設置されています。

つながる

スマートエネルギーネットワークの構築により、安定したエネルギーの供給や、省エネ、エネルギーセキュリティの向上が期待されています。また、街全体のエネルギーをマネジメントし、最適な需給計画を展開するシステム「SENEMS®」を開発。ICTを活用することにより、熱・電気・情報のネットワーク化を行ない、建物単体ではなく街全体のエネルギー需給を管理。熱と電気の有効活用で省エネ、省CO2を実現しました。

情報を集約・管理・運用するSENEMS®と、エネルギーを集約・管理・運用する第一スマートエネルギーセンターが相互に作用している

また、災害時にも田町スマエネパーク内の「愛育病院」へは100%の冷温熱を72時間以上安定して供給できるほか、「みなとパーク芝浦」では非常用発電機からの電力供給に加え、「スマートエネルギーセンター」のCGSからも電力を供給することができます。

みえる

現在、田町スマエネパークの公式ホームページでは、街全体のエネルギー状況を誰でも閲覧できるようになっています。リアルタイムの創エネルギー量をはじめ、1990年と比較してどれくらいCO2が削減されたか、節電率・省エネ率と合わせて数値で表示。また、月ごとのCO2削減実績を累積で見られるなど、省エネ、省CO2に向けて街がどのように機能しているのかを「みえる化」しています。

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官民一体となり進める省CO2の街づくりとこれからの未来

キーワードのひとつ「つながる」は、ネットワークで街がつながるだけにとどまりません。田町スマエネパーク計画段階から、エネルギー供給側と需要側それぞれの関係者など官民が一体となり、地域連携のための関係者会議体「スマートエネルギー部会」を設立し、定期的に会議を開催しています。CO2削減の目標値の達成状況などの共有化を図り、さまざまな立場の関係者が「低炭素で災害に強いまちづくり」を目指し議論を進めることで、今後の方向性を決定しています。

田町スマエネパークの核となるスマートエネルギーネットワークによる功績が認められ、2017年には「平成28年度省エネ大賞(省エネ事例部門)」の「経済産業大臣賞(共同実施分野)」を受賞し注目を集めました。

今後、スマートエネルギーネットワークが省エネ、省CO2を通して行なう持続可能な社会の実現と自然災害への備えとして、私たちの生活のスタンダードになっていくかもしれません。田町スマエネパークは、そんな未来の街づくりの模範として進化し続けていくことでしょう。

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