五十代から始める「乗馬」
。触れ合いが生み出す心も
体も健康で充実した日々
五十代から始める「乗馬」。
触れ合いが生み出す心も体も
健康で充実した日々

2019.02.21

アンドリュー・スコット氏の著書『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)ー100年時代の人生戦略』(東洋経済新聞社)のヒットもあり、ちまたでは「人生100年時代」は注目のキーワードになっています。

平均寿命はもちろん、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」を指す健康寿命も徐々に延びてきています。具体的には、2016年に公表された健康寿命は、男性が約72.1歳、女性が約74.8歳。2001年と比較すると、男性は約2.7年、女性は約2.1年延びているのです。

実際、一昔前の60代、70代と比較すると、最近の高齢者はなんと若々しいことでしょうか。65歳以上で趣味やさまざまな活動、消費に意欲的な「アクティブシニア」と呼ばれる高齢者は、全く珍しい存在ではありません。そんな「アクティブシニア」を目指すには、40〜50代の現役世代の頃から趣味を持ち、健康のための運動習慣を身に付けておくのがよいとされています。なかでも、特に効果的な運動習慣として注目を集めているのが「乗馬」です。

今回は、そんな「乗馬」の魅力やメリット、始め方についてご紹介します。

健康な生活・体づくりに最適な乗馬の魅力

冒頭で触れたように、乗馬の人気が高まりつつある理由の一つは、人々の「健康」意識が高まっていること。健康グッズの定番に「乗馬マシン」があるように乗馬は座っているだけのようにも見えますが、実は全身を鍛えることのできる立派なスポーツです。運動強度を表す指数「メッツ(METs)」では、乗馬の基本運動である速歩は5.8メッツ。これは、ランニング(6.4km/h)の6メッツに匹敵する数値。また、馬上でバランスを取るために全身の筋肉を使うため、インナーマッスルが鍛えられ、身体の歪みの矯正や凝りの解消にもつながります。

「健康」への寄与はフィジカル面だけではありません。とりわけ注目されているのは、メンタル面にもたらす効果です。「ホースセラピー」と呼ばれ、欧州では古くから行なわれています。一般的には、馬の世話をしたり操ったりすることで、ストレス解消や癒し、心身状態の改善などの効果を得るものです。広義ではアニマルセラピーに含まれますが、馬のような大きな動物を自らが操ることで自尊心の回復につながるともいわれています。馬は高い知能を持つ動物。だからこそ、人と信頼関係を結ぶことができますし、うまく指示すれば指示通りに動いてくれる楽しさもあるでしょう。

乗るだけではなく馬と触れ合い心を通わせることで、より強い信頼関係の構築が期待できる

フィジカル・メンタルの両面から健康を促進する乗馬。それだけでも、アクティブシニアを見据えた趣味として優れているのですが、もう一つおすすめしたい理由があります。それは、子どもから高齢者まで、年齢を問わず、いつからでも始められること。この話題で、必ずといっていいほど挙げられる人物が法華津 寛(ほけつ・ひろし)氏です。

法華津氏は馬術競技の元日本代表で、1964年の東京オリンピックから2012年のロンドンオリンピックまで出場。ロンドンオリンピックには、史上最高年齢となる71歳で出場を果たしました。71歳でオリンピック選手になれるスポーツは、乗馬のほかには存在しません。それくらい、年齢を重ねても楽しめるのが乗馬の特徴なのです。

こういった理由から、乗馬を始める壮年層も少なくありません。例えば、全国に35ヵ所のコースのクラブを持ち、会員数3万7,000人超を誇る乗馬クラブ「クレイン」では、「50歳からの乗馬入門」というコースを設定しています。

体験レッスンから始める乗馬

では、実際に乗馬を始めるにはどうすればよいのでしょうか。乗馬といえば、どうしても付きまとうのが、お金持ちのイメージ。もちろん、年会費が高額で入会条件が厳しい伝統ある乗馬クラブもありますが、実際には、始めやすく通いやすい会員価格の乗馬クラブも少なくありません。ゴルフクラブやスポーツジムと同じようなものだと思えば分かりやすいでしょう。また、ほとんどの乗馬クラブは、体験レッスンで、手軽に馬と触れ合える機会を設けています。

前述の「クレイン」が実施する体験レッスン「50歳からの乗馬入門」は、45分で1,620円(税込)。ちなみに、1920年創設の東京で最も歴史がある「東京乗馬倶楽部」は、初めての利用者ならば20分で平日:5,700円、土・日・祝日:6,700円。いずれも、ヘルメット、ブーツ、ライフジャケットは無料でレンタルが可能です。

慣れてくると自分の思うように馬も動いてくれる。馬と一体になって駆け抜ける爽快感は格別だ

体験レッスンの内容は乗馬クラブによって異なりますが、馬への乗り方や手綱の持ち方、鐙(あぶみ)の履き方、騎乗姿勢の確認などから始まり、発進や停止、常足や速足などの基本的な動作を学ぶことが多いようです。まずは、体験レッスンで乗馬クラブの雰囲気を体験し、続けられそうであれば正会員になるという流れが一般的でしょう。

半年に一度くらいしか馬に乗らないのであればビジター会員でもいいかもしれません。しかし、趣味として本格的に楽しみたい、健康のためにも定期的に馬に乗る習慣を付けたい、と思うのなら正会員を選ぶ方がおすすめです。長く続けることで普段使わない筋肉が鍛えられて姿勢がよくなり、肩こりや腰痛の改善にもつながります。自分の楽しみ方に合わせて選ぶとよいでしょう。

乗馬を趣味にするときのコストの目安

次に、乗馬クラブの入会金や、用具を揃えるための初期費用と月会費、レッスン料など、乗馬を始めるにはどのくらいかかるのか、「クレイン」を例に具体的な金額を見ていきましょう。ただし、これらは乗馬クラブによって大きく異なるので、あくまでも目安としてご紹介します。

初期費用として「入会金」「初回の月会費」「最低限の用具(ヘルメット・乗馬ブーツ・ムチなど)」が必要になります。「クレイン」では、正会員の入会金は16万2,000円、月会費は1万6,200円(全て税込み。クレイン公式HPより)。用具の価格は千差万別で、大手通版サイトでも購入することができます。ヘルメットなら1万5,000円程度~、ムチなら2,000円程度~、ブーツは5,000円程度〜で購入できます。

初期費用に加え、馬に乗るたびに「騎乗料」が発生します。「クレイン」では平日1,620円、土日祝日2,160円(全て税込み。クレイン公式HPより)となっています。また、乗馬クラブによっては別途で「保険料」「指導料」などが発生します。

余裕があれば、馬を購入し乗馬クラブに預けることも可能です。馬自体の価格は100万円前後〜数百万円程度とされており、乗馬クラブが販売しているケースもあります。預託は、調教料や餌代、運動料、装蹄料などで月15〜20万円ほどかかることが多いようです。

心身ともに潤いをもたらす乗馬

乗馬は馬と触れ合うことで心と体の健康が期待できるスポーツ。高い馬上からの風景は特別なものです。郊外の乗馬クラブなら、大自然の中で馬を操るプログラムもあるので、よりリフレッシュ効果が高いでしょう。楽しみながら健康的な体づくりができる上に、忙しい日常をしばし忘れさせてくれ、癒やしを与えてくれる大人の趣味。興味があれば、体験乗馬で馬を愛でることから始めてみてはいかがでしょうか。

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