飾るならこの一枚!ファン
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なりたい新進気鋭のアーティ
スト3選

2019.02.21

かつて、美術品である絵画は王や貴族、宗教者たちの富、権力の象徴として飾られていました。宮殿や城館、宗教空間の奥まったギャラリーで「仰ぎ見る」ものだったのです。しかし時を経た現代、絵画は私たちが同じ目線で眺められる存在――そう、「アート」として身近なものになっています。多くの人が美術館の展覧会に詰め掛け、アートフェアは活発に開催され、街のギャラリーもオープンな存在に。美術に触れる機会はかつてないほど増えていきました。

そのアートが「出掛けて見る」ものではなく「買うことができるもの」として、そして「部屋の壁に飾るもの」として見られるとしたら――美術への距離感もぐっと縮まってくると思いませんか?

現代アートは伝え方や表現方法、技法が驚くほどのバリエーションを見せるようになりました。日本で頭角を現している気鋭のアーティストたちも、オブジェや彫刻といった立体的な作品はもちろん、ペインティングやドローイング、写真などの平面的な作品、空間をワイドに使って魅せるインスタレーション(空間全体を作品として体験させる表現方法)、ビデオを使った映像表現など、実にさまざまなスタイルで作品を作り出しています。

今回は、「空間を豊かに彩る」という側面はもちろん、若手アーティストを応援し、美への志、芸術への想いをつないでいくという意味で、新進気鋭の3名のアーティストをご紹介。大人の趣味として現代アートに迫ってみましょう。

現代を生きる前衛的な3人のアーティスト

筆を使わずに夜景を描き出す 大村雪乃

まずご紹介するのは、夜景をモチーフにした作品を手掛けている大村雪乃。都市文明を象徴するタワーやビルの光、街にあふれる光の洪水――。夜を思わせる黒いキャンバスに、きらきらとした光の集合が彩られる。それが彼女の作品の特徴です。

東京の夜景を丸シールのみで見事に描き出した作品「Beautiful Midnight」

離れて見ていると色とりどりの夜景が美麗ですが、近付いてみるとびっくり。なんと、光点の一つひとつがシールなのです!さまざまな色やサイズの丸シールを組み合わせ、クールに都会の姿を描き出す。それが筆を使わない夜景画家・大村雪乃の真骨頂。

事務用品であったチープなシールを使ってゴージャスな夜景、光り輝く都市の姿を描き出す。このギャップを、現代の大量生産・大量消費社会へ一石を投じていると感じる方もいるようです。

身近な素材ながら、技法、センス次第で、誰もが見とれる作品に変貌する。現代アートの可能性を感じさせてくれるアーティストです。

ダイナミックで繊細な切り絵 中村敦臣

見た瞬間、思わず息をのむ。それが中村敦臣の作品です。わずか0.5㎜という繊細な幅で切り出した和紙を細かくカットして組み合わせたり、ヴィヴィッドな色に着色したりと、天衣無縫の発想で切り出される作品からは、圧倒的な迫力が感じられます。

鮮やかなピンク色と落ち着きのある白色の立体切り絵で構成される作品「cut of pink」

切り絵というと、黒いバックに白い紙でさまざまなモチーフを切り出すもの。そんな従来のイメージを覆してカラフルな色を取り入れ、さらにはアクリルや合成樹脂等の異素材もミックスさせる。ジャンルを超越した全く新しい“ネオ”切り絵と言っていいでしょう。

さらに、中村作品で特筆すべきは立体感です。切り絵なのに平面ではなく、オブジェとして立ち上がる姿がダイナミック。静的で和のトーンが多かった従来の切り絵とは一線を画し、自由闊達なテーマを選んでいます。作品群の一つには「壁に着けるタイプのバッグ」として、ハイブランドのファッションバッグをモチーフにした作品があるほど。

現代の空気感と共に疾走する。現代アートは時代を先導する使命を持ったジャンルですが、中村敦臣の作品からは、そんな「時代と切り結ぶ」熱い気概も感じられます。

思わず二度見!日常が飛び出す立体作品 松枝悠希

緑に輝く「非常口」の表示から、ピクトグラムの人が逃げ出す。QRコードが「私を読み取って!」とばかりに迫ってくる。日常でよく見掛けるものを意外な姿で作品にするのが松枝悠希です。

2Dを3Dで捉えた遊び心溢れる作品「This is EXIT」

彼が手掛けるのは、合成樹脂を熱で軟らかくして力を加え、さまざまな姿に仕立てた3D作品。静態でありながら飛び出し、見る者に迫ってくるような躍動感にあふれています。意外性のある現代アートは数あれど、楽しく、そして面白く見られるのは松枝作品ならではの特徴。しかし、意外性が魅力だからといって、一度見たら飽きてしまうような、消費される作品ではありません。松枝作品は一発ギャグやネタとして終わらずに、何度も見させる、引き込ませる美術としての根っこの強さがあります。

それは、彼が「平面からの解放」という確固たるテーマを掲げ、強いメッセージ性を作品に込めているからかもしれません。日本を越え、上海や香港、ソウル、ロサンゼルスなど、海外の先進都市で高い評価を得ているのも納得です。

アーティストを応援する「文化投資」

「現代アートって、何が描かれているか分からない」

「前衛的?何だか難しそう……」

こんな先入観も、3人の作品を見たら一変することは間違いありません。絵具で描き、石こうや金属を彫刻するものだけがアート作品ではない、という気付きも得られることでしょう。

現代アートは英語で「Contemporary Art」。このContemporaryは「同時代に存在する」という意味も持っています。同時代に生きるアーティストの作品は今の空気を反映、自ら積極的に作品に関する情報発信を行なっているアーティストも少なくありません。作者が語る「制作秘話」を知ることで、いっそう作品に惚れ込んでしまうこともあるでしょう。場合によっては、個展やSNSなどを通してアーティスト本人とコンタクトする機会が得られるかもしれません。

そして、同時代にあるということは、購入による入手のハードルがそれほど高くないということでもあります。アートは展覧会やギャラリーで眺めるだけにとどまらず、購入して自室の壁に飾れば、生活を豊かに、楽しく彩ってくれることでしょう。

美術作品は作家が成長し、活躍していくことで価値が上がっていくもの。文化の支援者になれるという意義は見逃せません。海を越え、海外で高く評価される現代美術家は多数存在します。そう、若手アーティストたちの可能性は未知数です。世界に雄飛する人材は、今後も続々と登場するでしょう。

現代アートを購入することは単なる買い物にとどまりません。未来の巨匠を応援する「文化投資」という意味もあるのです。書画骨董のように、これまでの美術コレクションは「過去」を集めていくカタチが主流でした。しかし、現代アートの収集は「未来」を見据えた新たな可能性を秘めています。

同じ時代を生きるアーティストたちの「現在」、そして「未来」に投資していく。そんな新しいコレクションのカタチに目を向けてみてはいかがでしょうか。

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