産官学民の連携による未来
の街づくり「柏の葉キャン
パス」
産官学民の連携による未来の
街づくり「柏の葉キャンパス

2019.02.14

千葉県柏市で、次世代型モデル都市として国内外から注目を集めているスマートシティ「柏の葉キャンパス」。“New Style for The Next”をスローガンに、環境に配慮した健康的なライフスタイルの構築や新たな産業・文化的価値の創造といった、次世代に受け継いでいける持続性の高い街づくりの実現に向け、産官学民が連携して管理・運営を行なっています。

その先進性は名実ともにお墨付きで、「本当に住みやすい街大賞2019」(出典:アルヒ株式会社)では、圏外だった2年前から急上昇し、堂々の5位にランクインしました。今回は「世界が理想とする未来像を、街づくりのかたちで示すこと」を目指すスマートシティ「柏の葉キャンパス」の特長や取り組みをご紹介します。

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環境と健康に配慮した「柏の葉キャンパス」の特長

「柏の葉キャンパス」は、2005年のつくばエクスプレス開通と同時に誕生した柏の葉キャンパス駅を中心に広がるスマートシティです。

柏の葉キャンパス駅周辺におけるスマートシティ構想は、つくばエクスプレス開業の翌年、駅前に大型商業施設「ららぽーと柏の葉」と「柏の葉アーバンデザインセンター(以下、UDCK)」がオープンしたことでスタートしました。UDCKは、東京大学の提案により誕生した、市民と行政、民間企業、大学などが一丸となって運営する街づくりの拠点で、UDCKを中心として、エコで暮らしやすい街づくりに向けたさまざまな取り組みが行なわれています。

「キャンパス」という名前が示す通り、柏の葉地区に東京大学や千葉大学など日本を代表する学術機関が集まっていることが大きな特長です。そして、それは持続可能な未来の街づくりを目指すのに欠かせない原動力となっています。

東京大学柏の葉キャンパスの物性研究所。ここで日々研究開発がなされ、新たな技術が生まれている

例えば、東京大学は世界をリードする最先端の知見を生かして、デベロッパーや地元の柏市、ベンチャー企業、筑波大学と協力し、柏の葉キャンパスにIoT通信ネットワーク環境を構築。その環境を活用して街づくりの課題を解決するイベント「柏の葉IoTハッカソン」を開催し、実際のサービス化を見据えた提案を外部から広く募りました。

2018年にはその発展形として、新しいIoTビジネスを推進する「柏の葉IoTビジネス共創ラボ」を設立。最先端の知見と技術、アイデアが融合し、環境やエネルギー問題、少子高齢化など、街の問題に挑む新たなビジネスが生まれる場所となっています。

一方、千葉大学は地域との連携を強め、従来の枠組みにとらわれない学問や実証実験を行なっています。例えば、環境・健康・食をテーマに学生と住民がともに取り組む講座「カレッジリンク」を開講したり、古くから盛んであった柏市の農業と食の健康志向を踏まえ、低い環境負荷で高い生産性を発揮する植物工場モデルに挑戦したりと、より市民に近い目線で街づくりへ関わっている様子が見受けられます。

いずれの大学も、それぞれの強みを生かして「柏の葉キャンパス」が掲げる「人と環境にやさしいまちづくり」に貢献しているのです。

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グッドデザイン賞を受賞した「省エネ」への取り組み

柏の葉キャンパスは、街づくりにおいて数々のグッドデザイン賞を受賞しています。その中でも、スマートシティのエネルギー管理システム「柏の葉HEMS(Home Energy Management System)」と「柏の葉AEMS(Area Energy Management System)」は、街のスマート化をよりいっそう促進する技術として大きく取り上げられました。

 

「HEMS」とは、家庭で使用するエネルギーを管理するシステムのこと。例えばエネルギー使用量をモニター画面で見えるようにしたり、家電を自動制御したりすることで、使用量の削減を目指します。それまでHEMSといえば電気使用量のみを計測する設備が多かった中、「柏の葉HEMS」では電力だけでなくガスや水道といったライフライン全般が計測の対象に。そのデータの管理システムがCO2排出量に換算し、各家庭のモニター画面へ表示することで、省エネの意識付けを図っています。また、CO2削減分に応じて、「ららぽーと」の商品券と引き換えられるエコポイント制度があることも大きなメリットです。「どの程度省エネできているか?」がはっきり分かり、「どうしたらもっと節約できるか?」を考える意欲をかき立てる制度は住民にも好評を博しています。

もうひとつの「AEMS」とは、“Home(家)”に対して“Area(地域)”で包括的に省エネ改善を図るエネルギー管理システムのことです。柏の葉キャンパスの「柏の葉AEMS」では、商業施設や分譲マンションに備えた太陽光発電や蓄電池が、再生可能エネルギーや消費量の少ない深夜の電力を蓄え、ピーク時には建物間を越えて電力を供給するといった仕組みづくりがなされています。

蓄電池は災害時にも役立ち、バックアップ電源として街に電力を供給。電力とともに非常時の情報収集・提供が停止しない仕組みが、スマートシティを支えています。電気使用量のデータは他のエネルギー同様に“見える化”されており、デジタルサイネージなどを使って街の人々に届けられています。こうしたデータを目にする機会が増えたことが、エネルギーに対する意識改革につながったという住人も多いのではないでしょうか。

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進化し続ける街「柏の葉キャンパス」

環境負荷を抑えて生活の質を向上させる「スマートシティ」構想。柏の葉キャンパスは常に最先端を学び、取り入れ、今も進化し続けています。そして、そこで暮らす住民一人ひとりの中で起こっている意識改革は、ゆるやかでも非常に重要なことです。

少しずつ育まれる環境意識、先を目指す心、そして自分たちの暮らす街への愛情は、豊かな未来への礎を一歩ずつ築き上げていくために、どれも欠かせない要素であるはず。「柏の葉キャンパス」が「住みやすい街」と評価される理由は、現在のニーズと未来を見据えた取り組みが、想いや理想にとどまらず、着実に推進されているところにあるのでしょう。

桜が美しい柏の葉公園の日本庭園。地域住民の癒しの場として愛されている

街の多様化や変化への理解を深め、このような未来の街づくりを知ることは、オーナーとして地域社会に永く愛される不動産活用を目指す方にも必要不可欠です。しかし、「住みやすい街」の理想形は、決して一つではありません。スマートシティのような先進技術を活用した街や、人と人とのコミュニケーションが大切にされる街など、その形はさまざまです。

ただ、共通していえることは、“持続可能な社会基盤のもと、世代を超えて人々が幸せに暮らせる”ことが「住みやすい街」を構成する重要な要素になるのではないでしょうか。

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