趣味のための「書斎」 自
分時間を愉しむ空間づくり
趣味のための「書斎」 自分
時間を愉しむ空間づくり

2019.02.14

書斎の意味を辞書で調べると、「文人や知識人の住居に設けられた、読書や書き物をするための部屋」といった説明があります。確かに書斎といえば、文豪が執筆をしたり、医師や社会的地位のあるインテリ層が読書や書き物をしたりするイメージがあるのではないでしょうか。実際、明治〜昭和初期に活躍した文豪の記念館では、彼らの書斎を再現しているケースが多く見受けられます。

「書斎」の成り立ちを辿ると、15世紀末、欧州貴族の館にその原型を見ることができます。17世紀には市民の住居にも広がりました。読書や書き物をする部屋は、日本でも室町時代頃からありましたが、いわゆる「書斎」が広がったのは、明治以降、西洋建築が入ってきてからです。

今回はそんな書斎の読書や書き物だけではない多様な使い方、空間づくりのヒントをご紹介します。

姿を変えて存在する“現代の書斎”

長らく書斎は、仕事や調べ物、思索の部屋場でした。それは裏を返せば、暮らしには直接必要がない場所と言ってもいいでしょう。高度経済成長期、量産的なカタチとその狭さから“ウサギ小屋”と揶揄された日本の住宅で、そういった場所を確保できるのは社会的成功者のみ。いつしか、書斎があることはステータス、“男の憧れ”となっていきました。

時は流れ現代、読書や書き物、思索の場だった書斎の役割は、もう少し広くなりました。今では、趣味を愉しみ、一人の時間を過ごす場としての役割も担います。もはやステータスとしての“男の憧れ”は薄いかもしれませんが、自分だけの空間を持ちたいといった“憧れ”はいまだ健在ではないでしょうか。

しかし、“憧れ”で終わらせるのは少しもったいなくありませんか。「書斎なんて広い家じゃないと無理」と思うかもしれませんが、アイデア次第では、自分だけの空間を持つことは可能です。例えば、書斎と表現すればハードルが高く感じますが、間取り図によく記されている「サービスルーム」「ホビールーム」と聞けばどうでしょうか。これらの部屋の多くは、クローゼットの端や階段下、キッチンの奥、ガレージの一部といった、空いている空間を上手く活用して配置されています。決して広くはありませんが、日常空間と切り離された、何にでも使える部屋。これこそ、“現代の書斎”と言っていいかもしれません。

趣味に合わせたアイテムの選定

自分時間を楽しむ書斎を作り上げるには、まず書斎で何をしたいのかを考えることから。読書や音楽鑑賞、模型制作といったモノづくり、収集品を愛でるなど、過ごし方はさまざまでしょう。そして、その過ごし方によって書斎の雰囲気や実用性も変わるはずです。

では、具体的にはどうすれば、雰囲気と実用性を兼ね備えた書斎を作り上げることができるのか。前述の通り、アイデア次第では、自分だけの空間を持つことは可能です。ここで少し発想を変えてみましょう。書斎という“部屋”で捉えればなかなかハードルが高いかもしれませんが、書斎に必要な“アイテム”で捉えればどうでしょうか。書斎に欠かせないアイテムは机と椅子、そして棚です。つまり、この三点があればそこに「書斎」という空間が立ち上がるのです。

 

空間の広さと関係なく、その3アイテムが揃っている空間を「書斎」と考えれば、ぐっとハードルが下がりませんか?「アイテムが必要なのは理解したけど、どんな空間を作ればいいか分からない」という方も多いはず。例えば、こんな自分時間を過ごす書斎はどうでしょうか。

「読書や音楽鑑賞」を楽しむなら、北欧風の書斎

ゆっくりと本を読んだり音楽を聴いたりする穏やかな書斎を目指すなら、ウォルナット材などを使った暖かみがある素材の机や椅子で、落ち着きのあるナチュラルモダンな雰囲気を目指しましょう。背の低い家具で統一した、ミニリビングの様相が合うかもしれません。その際のオススメは、「イームズ プライウッドコーヒーテーブル」に「イームズ シェルアームチェアRAR」です。

イームズとは、チャールズ&レイ・イームズ夫妻がデザインした家具ブランドで、1950年代に生まれたミッドセンチュリーデザインの代表格。「シェルアームチェアRAR」はいわゆるロッキングチェア。ゆらゆらと揺られながらコーヒーを片手に読書をすれば、至福の時間が過ごせます。

本を収納する書棚は、部屋に合わせた大きさのものが理想ですが、部屋にぴったり合う書棚を見つけることはなかなか簡単ではありません。その分、小さくても収納力のある書棚を設置したり、デザイン性の高いシェルフを活用したりするといいでしょう。

「模型などのクラフトワーク」は、ワークスペース風の書斎

模型を作ったりメンテナンスしたりといった作業が発生するクラフトワークを楽しむなら、部屋全体の雰囲気よりも作業のしやすさを重視したワークスペースを目指しましょう。

机は作業がしやすい書斎机やワーキングテーブルがオススメです。まずは、広さや高さ、安定感といった使い勝手の良さで選ぶのがいいでしょう。そこを満たした上で、デザインや素材にもこだわると、より良い書斎が作れます。

椅子は、長時間の作業でも疲れず座っていられることが重要。人間工学に基づいたデスクチェアやオフィスチェアを選びましょう。代表格と言えば、「アーロンチェア」。MoMA(ニューヨーク近代美術館)の永久コレクションにも選定された名品です。

作り上げた作品を飾る棚は、おしゃれなディスプレイできるセルカシェルフやはしごタイプのラダーシェルフなどはどうでしょうか。収集品によっては、古材を使ったアンティークシェルフなども雰囲気がでます。

日本的な雰囲気を楽しむなら和風の書斎

マンションなどではめっきり減ってしまった和室ですが、過ごすと落ち着くという人は多いことでしょう。日本人の原体験といったところかもしれません。瞑想をしたり、お茶を嗜んだりして、精神をリセットするには、和風の書斎がピッタリです。

せっかくなら、琉球畳を敷くと雰囲気が出ます。そこに置く机と椅子は、やはり座卓と座椅子。レトロ風だと昭和感が出過ぎるので、和モダンなデザインにしたいところ。高級木製家具の天童木工などはおすすめです。棚は背の低い和棚や茶棚が雰囲気に合うでしょう。

自分時間を愉しむ書斎を手に入れるために

現代の書斎は、「ワークスペース」だけでなく「ホビースペース」としての癒やし空間も兼ね備えています。自分好みのインテリアや上質な逸品に囲まれることは心を豊かにしてくれます。自分の趣味などから、どんな書斎を作りたいかを考えるのもワクワクする時間になるでしょう。

 

書斎は部屋や広さではなく空間の価値と考えると、新たな暮らしがスタートできます。マンションやアパートといった限られた空間でも、机と椅子、棚の三点があればそんな書斎としての空間を作り上げることができます。そうして独立した空間を設ければそこは立派な自分時間を愉しむスペースに早変わり。是非、書斎作りにチャレンジしてみてくださいね。

 

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