自分の親が認知症になる前
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相続トラブル対策とは?
自分の親が認知症になる前に
! いまから手を打てる相続
トラブル対策とは?

2019.01.24

親の資産を相続する際の相続税対策のために、不動産の取得や、さまざまな制度の利用を検討している人もいるのではないでしょうか。厚生労働省の「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」によれば、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症を発症するとされています。

親が認知症になった場合、本人の意思決定が必要な契約が困難になるだけではなく、土地やお金といった財産の運用・維持・管理といった相続関連のトラブルも予想されます。そうならないために事前に子としてできることは何なのか。「成年後見」「家族信託」など、親が認知症になった場合の相続時によく聞く制度とともにご紹介します。

もしもに備えて知っておくべき4つの制度

親が認知症になった場合の相続トラブルとして、実際にこんなケースがありました。

「父は10年前に他界し、80代の母は今、介護施設に入居しています。実家は誰も住んでおらず、たまに掃除しに行く程度です。そのため、私としては、建物を取り壊して土地を売ってしまいたいのですが、家の所有者である母は認知症を患っており、意思を確認することが困難な状況です。もっと早くに手を打っておくべきだったと後悔しています……」

資産を持つ本人の明確な意思がない限り、たとえ子であっても、勝手に資産を売買したり、財産を分割することはできません。上記のようなケースに陥らないためにも、親が意思決定できるうちに、相続税対策をしておくべきなのです。

相続に関わるトラブルを避けるために知っておくべき制度として、次の4つを抑えておきましょう。

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遺言

本人の「財産をこう遺したい」という意思を引き継げるのが最大のメリットです。遺言の方式には次の3つの方式が定められています(普通方式遺言の場合)。

〔自筆証書遺言〕
本人が紙に自ら遺言全文を手書きします。民法改正により平成31年1月13日からは財産目録のみ、パソコン入力が認められるようになるため、作成の手間が軽減されます。希望すれば法務局で遺言を保管してもらえるため、「親の死後、遺言書が見つからない」といったトラブルを防ぐことができます。費用がかからず、いつでも書けるというメリットがありますが、定められたルールにのっとって書かないと書式不備で無効になる場合があるため、注意が必要です。

〔公正証書遺言〕
公証役場に出向き作成してもらいます。公正証書により作成される遺言書は証人2人立会いの下で作成され、原本が公証役場で保管されます。破棄・隠匿・改ざんなどの心配はありませんが、次の費用がかかります。詳細については公証役場にご確認ください。

・公正証書作成手数料:
相続人ひとり当たり5,000円~43,000円
・証人2人の日当:
ひとり当たり5,000円~15,000円程度(自身で見つける場合は無料)

〔秘密証書遺言〕
その名の通り遺言内容を「秘密」にできる証書です。パソコン入力や代筆も可能で、自筆署名・捺印し封入・封印します。この封書を公証人(国の公証事務を担う公務員)と証人(立会人のこと。行政書士や司法書士などが適任)2名に提出し、所定の手続きを経て作成します。手数料は1万1,000円です。遺言内容を明かさなくとも、本人の遺言であることを証明できます。その一方で、開封するまで内容の不備に気付かない恐れもあります。

生前贈与

特定の財産を、指名した相手に確実に継承したい場合に有効なのが生前贈与です。贈与する財産によって手順は異なりますが、基本的には贈与契約書を2通作成し、贈与者と受贈者が割印し、各自1通ずつ保管します。贈与税の課税システムには「暦年贈与」と「相続時精算課税制度」の2つがあります。「暦年贈与」を選択すると1年あたり110万円まで贈与税は発生せず、「相続時清算課税制度」を選択すると、累計2,500万円まで贈与税が課税されなくなります。一般的には、贈与税のほうが相続税よりも高いと言われていますが、個々人のさまざまな状況によって節税になる場合もあります。

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成年後見制度

成年後見制度とは、成人している本人の判断能力が低い状態が一定期間続く場合、他者が本人の判断を補うことによって本人を法律的に支援するための制度です。例えば、本人に代わって必要な契約を締結したり、財産を管理したりする場合に利用します。

成年後見制度には「法定後見制度」と「任意後見制度」の2種類があります。順にそれぞれの特徴を見ていきましょう。(※親=本人と表記)

法定後見制度
本人・配偶者・4親等内の親族などが家庭裁判所に後見開始の申し立てを行ないます。本人の判断能力鑑定や諸調査を経て、後見開始の可否が決定されます。後見開始する場合、後見人と必要に応じて後見監督人が家庭裁判所によって選任されます。本人の親族がなる場合もあれば、弁護士・司法書士・社会福祉士などの専門家が選ばれる場合もあり、申立人が希望する人が選任されるとは限りません。後見人・後見監督人の報酬は、家庭裁判所が審判した額となります。原則として、本人が亡くなるまで解約できません。

任意後見制度
法定後見制度と異なり、本人が後見人を選ぶことができます。本人の判断能力が不十分であることについての鑑定は不要ですが、実際に制度が機能するのは判断能力が低下してからとなります。家族が後見人となる場合、無報酬でも問題はありません。ただし、後見監督人を付ける義務があるため、後見監督人への報酬(費用)は発生します。後見監督人選任後は、後見人・後見監督人契約を解除する際には家庭裁判所の許可が必要です。

家族信託

本人が保有する不動産・預貯金などの資産を家族(ここでは、子とする)に託し、その管理・処分を任せる仕組みです。契約の時点で受託者(子)による資産管理が始まるため、本人が元気なうちに管理・運用状況を見届けられる利点があります。子だけでなく、二代目以降の世代への相続の取り決めも可能です。受益者が親から子に移る際には、贈与税や相続税が発生します。

 

不動産の相続に最も適している制度は?

ここまで、親が認知症になる前にできる相続対策として、4つの制度を見てきました。相続する資産の種類によって、利用すべき制度は変わります。例えば、冒頭で紹介したトラブルでは、相続するものは土地と家屋でした。

このようなケースを踏まえると、不動産を相続するにあたって「家族信託」はおすすめできる手法の一つです。家族信託であれば、将来の資産運用に向けて、柔軟な対応ができます。現金を収益不動産に組み替えることもできるので、自宅を取り壊し、賃貸アパートを建てることもできます。

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不動産の価値は現金とは異なる基準で評価されるため、賃貸物件の経営は相続税の負担を抑える面からもおすすめです。例えば、土地に貸家を建てると土地の評価額が20%前後下がります。ほかにも、場合によってはさまざまな相続対策が利用できる場合があるので、不動産の形で資産を相続する場合は、運用方法をよく検討したいところです。

 

ただし、ひとつ心に留めていただきたいのは、これらの制度を利用するには、親族が共通認識をもつことが大前提にある、ということです。親や子が各々の損得のみを考えて単独判断のもとで動いては、適切な資産管理・相続は実現しません。なにより大切なのは、親が認知症になる前に家族会議の機会を設けることです。双方が納得するかたちを目指して将来を見据えた話し合いを行ない、必要な場合には、税理士、司法書士、行政書士などの専門家を間に入れることも検討すべきでしょう。

監修=秋口千佳(ファイナンシャルプランナー|夢のかけはし株式会社)

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