消費税率引き上げで不動産
投資はどう変わる? 土地
相続と賃貸経営への影響と
は?
消費税率引き上げで不動産投
資はどう変わる? 土地相続
と賃貸経営への影響とは?

2019.05.23

いよいよ今年の10月から、消費税率が10%に引き上げられる予定です。軽減税率などで生活必需品の税率は8%のまま据え置きされますが、それ以外の洋服や外食などあらゆるものが税率10%の対象になります。私たちの暮らしに直結する大きな転換期となりそうです。

衣食だけでなく、住も例外ではありません。「不動産」という高額なものになると、8%と10%の差はかなりの額に。損をしないためにも事前に知識を得ることが大切になります。

そこで今回は、そんな不動産を「土地相続」と「賃貸経営(主にアパート経営)」に絞って、増税の影響をわかりやすく整理します。増税によって、土地相続や賃貸経営はどこに注意しなければならないのか、どのような負担が増えるのか。また増税に備える対策についても、詳しく見ていきたいと思います。

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土地相続における増税の影響とは?

土地相続そのものに消費税はかかりません。土地の売却も同様に、消費税は非課税なので増税の影響は受けません。では土地相続において、増税の影響は受けないのでしょうか? 主に増税の影響を受けるもの・受けないものをそれぞれ見ていきましょう。

■増税の影響を受けるもの
・土地の測量時に測量士に支払う報酬
・土地売却時に宅建業者に支払う仲介手数料
・登記時に司法書士に支払う報酬 など

■増税の影響を受けないもの
・土地相続そのもの
・土地の売却で得た収入
・登記時の登録免許税、印紙税 など

土地相続に関して言えば、基本的に増税の影響は士業の方々へ支払う報酬や手数料などに留まるようです。

そもそも相続自体はいつ発生するのか予測できません。そして消費税よりも相続税のほうが影響は大きいと考えられます。そこで相続に備える手段として、関心が高まっているのが「家族信託」です。家族信託とは、家族間で契約を結び財産の信託を行なう財産管理の手法です。相続だけではなく、認知症になる前にやっておく対策としても活用できます。

相続時に困らないよう、普段から未来を見据えたコミュニケーションを図ることが望ましい

家族信託には以下のメリットがあります。

認知症による口座凍結になっても、預金引き出しなどが行なえる
・信託財産の積極的な資産運用や組み換えが家族の責任と判断で行なえる
・相続財産の指定や委託が生前から行なえる
・二次相続以降の資産承継先を指定できる

このとき、専門家への報酬額に対しては増税の影響があります。相続に備えておきたい方は、増税前のこの機会に専門家に相談するのがよいでしょう。

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賃貸経営における増税の影響とは?

次に、賃貸経営への増税の影響を見てみましょう。賃貸経営で入居者から受け取る家賃は、事業用家賃であれば課税対象のため増税分の家賃収入が見た目上は上がります(上がった分は消費税として収める必要があります)。しかし、居住用家賃であれば非課税となるため、家賃収入に変動はありません。

一方で、修繕費や管理費など、賃貸経営に関わる経費には消費税が課されるため、増税した分だけ支出が増えます。つまり事業用であれ、居住用であれ、賃貸経営をされている方は、実態としての家賃収入は変わらないまま経費が増えてしまうので、家賃収入による利益が減少してしまうことになります。

そのリスクを回避するために、賃貸経営における増税の影響をまとめましたのでご参考にしてみてください。

■家賃
事業用(事務所など)は課税対象となるため見た目上の家賃収入が増えますが、居住用は貸付期間が1か月に満たない場合などを除き非課税となるため増税によって家賃収入が増えることはありません。

■敷金・礼金・保証金
こちらも居住用は非課税となります。そのため増税の影響は受けません。事業用では、礼金が課税対象となります。敷金・保証金は地域によって異なりますが、退去時に返却されることが多いものです。一時的な預かり金の場合は、事業用でも消費税は発生しません。

■修繕費・メンテナンス費
賃貸経営に関わる修繕費・メンテナンス費は居住用・事業用に関わらず消費税が課されます。管理会社に支払う業務委託料にも消費税が掛かるので、増税の分だけ支出は増えることになります。

水道やガスの予期せぬトラブルを回避するため、定期点検などで異常個所がないかを常に把握しておく

■建物
消費税は土地に対して非課税ですが、建物は課税対象です。増税後に物件を購入する場合は建物価格が増税分だけ値上がりしてしまいます。マイホームを購入する場合は住宅ローン控除の特例などが適用されますが、賃貸経営のために物件を購入する場合の税制優遇はありませんので注意が必要です。

税制優遇はありませんが、増税前に全ての契約を締結したとき場合に適用される「経過措置」という制度があります。これは、10月1日の「施行日」から6カ月前の4月1日を「指定日」とし、4月1日以前に全ての契約の締結が完了したものについては、10月1日以降に建物の引き渡しなどが発生した場合でも税率8%のまま計算するというものです。ただ、4月1日以降に契約を締結・変更し、引き渡しが10月1日を超えた場合には税率10%が適用されるので注意が必要です。

ですが、これからでも、9月30日までに契約~作業完了できるものは税率8%で計算されるので、工期が短い修繕工事などはこの期間に行なうことをおすすめします。

このように賃貸経営では増税によって支出が増えます。ですが、建物の定期点検や入居者とのコミュニケーションによってリスクを軽減することが期待できます。普段から不測の事態への備えを意識することが賃貸経営成功のポイントになるでしょう。

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増税の影響を最小限に抑えるために

土地相続に関しては、増税の影響は限定的であること。そして、相続では消費税よりも相続税に対する意識を持つことが重要です。家族信託などの制度を活用すれば、相続する側もされる側も、今から相続に備えておくことができます。

賃貸経営に関しては、建物や修繕費用など幅広く課税されるため、負担が増える一方で家賃収入に変動はありません。安定した賃貸経営のためには、これまで以上に空室対策が必要になってくるでしょう。今回の増税を機に、所有地やご所有の賃貸住宅の価値を高める取り組みを見直してみてはいかがでしょうか。

監修=町田萌(代表取締役|FPサテライト株式会社)

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