揺られて眠って旅をして。
「ななつ星」に見る限定空
間でのゆとりの作り方
揺られて眠って旅をして。「
ななつ星」に見る限定空間で
のゆとりの作り方

2019.02.21

2013年、日本で初めて、観光を目的とした寝台列車・クルーズトレインが誕生しました。その名も「ななつ星in九州」。

ななつ星という名は、列車の走る九州7つの県と、九州の7つの観光素材(自然・食・温泉・歴史文化・パワースポット・人情・列車)に由来しています。

効率や速さを追求してきた鉄道会社にとって、“列車の中で楽しむ旅”という「ななつ星」の試みは、画期的なものでした。そのため計画当初には、「なぜ今さら食堂車が必要なのか」「ホテルに泊まればいいだろう」という批判的な声も数多く寄せられたようです。しかし、第一回目の運行が決定した直後から、申し込みが殺到。定員の7倍以上もの応募があったといいます。そして、現在もなお高い人気を誇り、2018年10月〜2019年2月出発分の予約倍率も、約9.4倍とプレミアム化しているのです。

では、一体なぜ、これほど多くの人がななつ星に惹き付けられるのでしょうか。その魅力を「ななつ星」のゆとりある空間設計からひもといていきます。

寝台列車の概念を覆した、革新的なデザイン

大人のための贅沢な空間を列車の中にーー。そんなコンセプトのもと、JR九州は総工費30億円をかけて「ななつ星」を造りました。車両のデザインを手掛けたのは、世界的デザイナーの水戸岡鋭治氏。787系特急「つばめ」、883系特急「ソニック」など、数多くの鉄道デザインを手掛けた人物でもあり、国内外で高い評価を得ています。

従来の寝台列車というと、眠って移動することが主目的だったため、快適さや過ごしやすさといった要素は重視されていませんでした。その概念をいかに打ち壊すか……。試行錯誤の末、水戸岡氏は「最高のレストランとホテル機能を、列車空間に持ち込む」という空間設計にたどり着いたのです。

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クルーズトレインがもたらす優雅な一日

古代漆色とも表現される、艶と深みのあるロイヤルワインレッドの車体。側面には重厚な金色のエンブレムが光り輝く「ななつ星」は、3号車から7号車までの5両が14部屋の客室となっており、その全てがスイートルーム。暖かな電球色の光と、木の素材でできた床や天井が心を和ませます。

高級感あふれる木材で設計された客室。列車の中であることを忘れてしまいそうな上質な時間を過ごせる

ダークウッド調の壁や、ジャパニーズモダンの家具はもちろん水戸岡氏のデザインによるもの。空間全体をトータルデザインしているため、装飾品や調度品、アメニティグッズの全てに「ななつ星」の世界観が散りばめられているのです。特に、装飾品 と調度品には370年に渡って受け継がれ続ける磁器「柿右衛門様式」を採用。ランプシェードや洗面鉢、ボタンなどの至るところに鮮やかな「赤絵」のデザインを見ることができ、現代的にアレンジした歴史の重みを感じることができます。和と洋、そして、モダンとレトロが見事に融合した、極上の空間といえるでしょう。

14部屋あるゲストルームの中でも、最もハイクラスなのが7号車のデラックススイートAのお部屋です。車端部の一面は展望窓となっており非常に開放的。走行中は、ソファに座って美しい景色を眺めることができます。

また、デラックスルームのベッドスペースは、組子によって仕切られています。組子とは釘を一切使わずに小さな木片を組み合わせる伝統工芸です。地元九州の職人が一つひとつ手作業で作り上げました。組子でスペースを仕切ることによって、視線を優しく遮り、独立性を保ちつつも、光と風が空間を行き来できる広々とした一体空間となっているのです。床に注がれる光の影にも、組子の美しい模様が映え、情緒豊かな時の移ろいを感じられます。

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クルーズトレインでは、食事も大きな楽しみの一つ。「ななつ星」のダイニングカー「木星」には、本格的なキッチンに加え、ワインセラーも設置されています。九州の旬な食材をふんだんに使用した料理を堪能しつつ、おいしいお酒をいただく……。列車での食事は、それだけでも記憶に残るものですが、特に長崎県の大村湾を走るコースのディナータイムは記憶に深く刻まれることでしょう。テーブルに座ると、ちょうど五島灘につながる穏やかな大村湾に夕陽が沈む瞬間が目に入ります。大村湾は、打ち寄せる波がまるで琴の音色のように優しく甘美なため、別名「琴の湖(ことのうみ)」とも呼ばれています。

デラックススイートAに位置する一面ガラス張りが特徴的な「ななつ星」の最後尾車両。くつろぎながらゆったり流れる絶景を独り占めにできる

夕陽差し込む車内で、白磁の皿に盛り付けられ運ばれてくるフレンチは、色とりどりの宝石のようで、食べるのをためらってしまうほど。一品一品、ホテルニュー長崎の名誉総料理長が腕を振るっています。

座席の窓は、すだれ、障子、レースカーテン、板戸の4種類が収まっています。その時の気分に合わせ、自由に選ぶことができます。

ディナーの後はラウンジカー「ブルームーン」へ。“走る社交場”と呼ばれるこのラウンジには、アーチ状の格子天井、矢筈模様のフローリングをあつらえ、落ち着いた雰囲気を醸し出します。

伝統工芸の組子は、バーカウンターにもふんだんに使われています。組子を通し気品漂う間接照明に照らされたカウンターは、まさに大人の時間を楽しむのにふさわしい空間といえるでしょう。そしてラウンジカーご自慢のパノラマ車窓からは、九州の満天の星空を眺めることができます。至福の一杯を片手に、列車の振動に身を任せ、心ゆくままくつろいでみてはいかがでしょうか。

【ワンルームが1LDKになる新プラン】

旅人を誘う極上の時間旅行

日本初のクルーズトレイン「ななつ星」は、物理的な制限があるなか、ゆとりある空間をゲストに提供するため、ダイニングカー、客室、ラウンジカーといった特別な空間を作り出し、「食べる」「寝る」「くつろぐ」場所をゆるやかに分けています。限られた空間を工夫と努力により有効活用することで、物理的な広さでは得ることのできない特別なゆとりが創出できるのです。

「新たな人生にめぐり逢う、旅。」をコンセプトに、「ななつ星」は、私たちを極上の旅へと誘います。

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